サクッとデザイン思考。セルフィースティック作り

対象シーン

    デザイン思考の本質をサクッとサラッと体感してもらいたいときに

対象年齢

    中学生以上

実施費用

    約7,000円(セルフィースティック費)

フェラーリをデザインしたことで有名な日本人のデザイナー Ken Okuyama氏がかつて言っていました。

デザインとは、一番大切な人に送るプレゼントを考えることと似ている

と。

日頃から何かをデザインする仕事に携わっている人であれば、とても共感できることだと思います。本当に大切な人にプレゼントを贈ろうとする場合、以下のような流れで人は行動をします。

この流れが、デザイン思考でいうところの

共感 -> 問題提議 -> アイディア出し -> プロトタイピング

という流れそのものなんですね。中でも特に的を得ているのが共感の部分。プレゼントを考えるとき、まずは相手の最近の言動を振り返り、何か困っていることや欲しがっているものが無かったかを振り返ります。その共感の仕方は、有り体なデザイン思考のプロセスで行われるようなユーザーインタビュー等では決してたどり着けない、真に相手の生活に共感した上でニーズを発掘するという行為に実に近しいと思います。

この話からインスピレーションを受けてFaciliiで考案したのが、

セルフィースティック作り

というアクティビティです。デザインプロセスを本当にサクッとさらっと、でもちゃんと価値が伝わるようなワークショップのためのアクティビティになります。

事の発端は、以下の一枚の画像です。

一時バズっていたので見覚えがある人もいるかもしれませんが、セルフィースティックを加工することで、まるで彼氏と手をつないでいるかのように写真が撮れる!という天才的発明です。

端的に言えば、このような意図を仕込んだセルフィースティックを、自分以外の特定の誰かのために作る、というのがセルフィースティック作りになります。

これをワークショップに取り入れることで、作る対象の相手にプレゼントを渡すのと同じ感覚でデザイン思考の共感をしっかりと体感できるのはもちろんのこと、最終的にそのセルフィースティックで撮影した写真が残り全部並べてアウトプットとしてもバッチリ決まる、という一石二鳥なアクティビティなのです。更に、デザイン思考で最も大切なのによく見落とされがちな、「作ったプロトタイプを実際に対象者に使ってもらいフィードバックをもらう」というフェーズをしっかりと設けられるため、もはや一石三鳥なアクティビティなのです。

ではセルフィースティック作りの流れを説明していきます。

1. 対象者にインタビューをする

セルフィースティックを贈る相手と、色々なお話をします。その人の趣味や価値観、好きな場所や食べ物など、とにかくその人についての色々な情報をインタビューしてもらいます。そのインタビューを通して、セルフィースティックに盛り込むべき要素を考えていきます。

2. その人を象徴する要素を洗い出す

このセルフィースティックは、その対象者についての理解がより一層深まるようなセルフィーを撮れることが目的です。そのため、対象者の特徴が最もにじみ出るような形のセルフィーとは何なのかを洗い出していきます。

3. セルフィースティックを作る

綿、折り紙、ワイヤー、粘土、紙コップなど、ありとあらゆる素材を自由に使いながら、その対象者をセルフィースティック上に表現していきます。
例えば、会うといつもパッと新しいアイディアをくれるような人であれば撮影の際に花火のようなキラキラのフレームが入るようなセルフィースティックを作ったり、ワインが大好きな人であれば自分の好きなワインに囲まれるようなセルフィースティックを作ったり。感覚としては、プリクラのデコレーションに近いと思います。

4. 対象者と共に作ったセルフィースティックでセルフィーを撮る

グランドフィナーレです。この写真を全グループ分集めれば、ワークショップの締めくくりとしても完璧です。ここで大切なのが、前述のように対象者にしっかりと使ってもらい、フィードバックをもらう、ということです。頑張ってデザインしたものをようやく最初に話したユーザーに持っていき使ってもらう、というデザイン思考のプロセスの中で最も大切でワクワクする瞬間です。たとえボロクソに言われようが、そこからまた新たなイテレーションが始まるだけなので、フィードバックをもらう、ということが大切です。

以上の流れを実際にFaciliiで中高生相手に実施してみたところ、このような多種多様なセルフィースティックができあがりました。

なお、この時に使ったセルフィースティックは一本1,300円のこちらです。
(ブルートゥース型のシャッターボタンが付いていて、値段が張ってます。いらなかったのですが、もはやベーシックのセルフィースティックが見つからず・・)

ということで、デザイン思考の本質をさくっとサラッと体験できる、セルフィースティック作りの紹介でした!