アウトプットを美しくひとまとめに!ピザボード

対象シーン

    ワークショップのアウトプット手法に悩んだとき、各チームの発表のクオリティを上げたいとき

対象年齢

    大人向け(何歳でも可能ですが、工作から遠ざかっている大人に効果抜群です)

実施費用

    約10,000円(材料費)(スチレンボードが意外とかさむので、予算が少ない場合はサイズを抑えてみてください)

近年のワークショップの最終成果物として、ポストイットがた沢山貼られたボードや壁際でチームの成果物をプレゼンをしたり、模造紙で作ったポスターをチームで持ちながらプレゼンしたりするのをよく見かけます。

もちろんそれでダメなことは無いのですが、以下の3点の理由からあまりオススメではありません。

1. 見栄えのインパクトが弱

1つ目の理由は至ってシンプルです。成果物としてのビジュアルのインパクトが弱いため、あまりプレゼンしていて心が踊らない上に、インスタ映えも特にしないため記録・記憶ともに残りにくいです。ビジュアルのインパクトは、通常のワークショップではあまり重要視されていないのがとても残念なところですが、Faciliiではその大切さを声を大にして説いています。心が踊るワークショップの場作りはファシリテーターの仕事であり、心が踊るような成果物を作れるワークショップは参加者にとっても大きなインパクトを残します。

2. 言語化に逃げてしまう

2つ目の理由はもう少しワークショップ内容に突っ込んだ理由になります。グループになってアイディアや考えを共有し合うワークショップでは、どうしても言葉で発表する以上言語化が避けられません。ただし、それでは伝わりきらないニュアンスがある、ということを忘れてはいけません。思いやコンセプトを伝えるには、言葉以外のツールも駆使する必要があります。例えば、丸い形状と四角い形状。硬い素材と柔らかい素材。ペールトーンな色合いと彩度の高い真っ赤。こうした対比で人が感じる印象の違いは、言葉以上に強いものです。こうしたnon verbalな言語、すなわちvisual languageは、抽象的なアウトプットが出ることの多いワークショップでは大きな威力を発揮します。もっと最近の流行りの言葉を使って言えば、左脳だけでなく、右脳を刺激するきっかけになります。

3. ファシリテーターの手抜き感が透けて見えてしまう

これはファシリテーターの皆様ならすぐ勘付くと思います。各グループの口頭や模造紙を使っての発表は、ファシリテーターとしては楽なのでついつい頼ってしまいがちですが、その場合参加者にもすぐに伝わってしまいます。

そこで、ピザボード!

そこでFaciliiにて編み出したのが、ピザボードです。

作り方は至って簡単、東急ハンズや世界堂で売っている大きなスチレンボードを、全て合わせた時に一つの円になるように扇形に切っていきます。写真では、半径60cmの扇を16枚用意しました。(中学校の数学の授業を思い出して、きちんと寸法は計算しましょう!)

この扇を各チーム、もしくは一人ひとりに配布し、それを使って自由に表現を行ってもらいます。例えば、理想的なコミュニティーのあり方がテーマのワークショップであれば、各々にとっての理想を、綿や金網、折上から爪楊枝まで、好みの素材を使ってそれを実際に作ってもらいます。

上記の例では、指定の色の糸だけは必ず使ってもらう、という制約を付けたことによって、最終的に統一感が出るようにしました。このように、何かしらの色合いやマテリアルの制約を一つ設けることで、最終アウトプットの統一感がぐっと上がる、というテクニックも是非使ってみてください。

各チームの発表等はそれぞれの扇のピザボードを使ってやってもらいます。そして、発表を終えた順に、空間の中央にそれを持ってきてもらい、一つのピザを完成していきます。すると、ワークショップの最後には、美しいピザがアウトプットとして出来上がります!