グループワークを定量評価!WHITEBOX

対象シーン

    公教育としてグループワークを定量評価したいとき

対象年齢

    中高生以上

制作費用

    約2万円(KinectV2費 + 装飾費)

 

今、日本の中学校や高校では「アクティブラーニング」の推進に伴い、グループワークや課題解決などの「アクティブラーニング」を取り入れようとする動きが活発になっています。

特に、文部科学省が学習指導要領に「アクティブラーニング」という言葉を入れてから、多くの中学校や高校がアクティブラーニング型の授業を行おうとしていまうす、というか、行わざるを得ない状況にあります。

とはいえ、アクティブラーニングという言葉の定義させあやふやな中で、現状多くの学校ではとりあえずグループワーク型の授業を実施しています。

しかし、1クラス30人から40人単位のクラスの場合、10グループ以上できることも少なくなく、一人の先生が10グループのそれぞれの中でどういった動きが起こっているのかを把握するのは不可能に等しくあります。従来の学習テストという明確な評価方法に慣れている先生にとってはなおさら、どのように評価するべきなのか途方に暮れています。つまり、グループワークの中で行われている生徒の活動や発言は、教師にとってはブラックボックスと化しているのです。

そこで、このグループワークというブラックボックスを開き、その中でどういったチームダイナミクスが働いていて、誰がどのように貢献したかを明らかにするのが、Whiteboxなのであります。

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WhiteboxはFaciliiが研究開発を行っている研究段階のデバイスです。

グループワーク中の生徒の発言量、発言比率、発言時の声のボリューム、発言内容、グループワーク時の手の動き、グループワーク時の姿勢を取得し、得られたデータをビジュアライズした上で、授業後に教師に提出することで、グループワークの評価を援助する。

それがWhiteboxの役割です。

実際にとあるグループワークをビジュアライズしたもの以下の画像です。

 

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ちなみに、Whiteboxという名前は、グループワークというブラックボックスに光を当てる、という意味から名付けています。

Whiteboxの現状のプロトタイプには、Microsoft社のKinect V2が搭載してあり、距離センサや骨格認識、そして複数のマイクアレイといった機能を活用することでデータの取得を行っています。具体的には、発言量、発言比率、そしてボリュームはマイクアレイを通して、手の動きおよび姿勢は骨格認識を通して、そして発言内容は録音した会話をGoogle CloudのSpeech To Text APIを通して行っています。Kinect V2は木製の白色の箱に格納され、その箱に植物等を載せることで、生徒を監視するような恐ろしいデバイスではなく、テーブル上のインテリアのようなデバイスとなっています。

 

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このWhitebox、まだまだ完璧ではなく、グループワーク参加者がWhiteboxから離れすぎているとマイクアレイが音声を拾わなかったり、現状はマイクアレイを使って位置を用いた方法で発言比率を求めているため、参加者が位置を入れ替えてしまうと正しいデータがとれなくなってしまったりと、色々と問題があります。

そこで、現在は、姿勢や手の動きは今まで通りKinect V2で取得しつつ、発言関連のデータは各参加者にピンマイクを付けてみています。

Raspberry PiとUSB microphoneを使い、発言中のみ録音し、発言の総時間、発言のボリューム、そして発言内容をインターネットでPCへと飛ばすようなスマートピンマイクを作ってもいいかなあとも思っています。

グループワークはアクティブラーニング式の授業の中でも大事な要素であり、生徒がより能動的な学び、そして協調性を身につけるために非常に有効な手段です。

グループワークを定量的に評価することを可能にし、そしてそれを教師にとって楽な方法で行うことで、グループワーク、ひいてはアクティブラーニングを公教育にも促進し、楽しい学びの溢れる世界となってもらえたらなと思っています。